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2009.06.16

090616-3 必見!! 「はやぶさ」 HAYABUSA -BACK TO THE EARTH

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一昨日(6/14)、大阪市立科学館で上映中のはやぶさ HAYABUSA -BACK TO THE EARTHを見に行きました。

 43分のCGグラフィック映像は限りなく清澄で、20億kmもの宇宙ひとりぼっちの探査機のけなげな飛行活動にはロマンがあります。
 小惑星イトカワへの着陸失敗にもめげず、再挑戦したり、小惑星離脱直後、燃料漏れを起こしたり、音信不通になったり、数々のトラブルに遭遇しながらも、その都度、奇跡的な復旧を果たし、まさに意志を持つウォーリーのような活躍に、誰もが感情移入してしまうでしょう。

 はやぶさは、 2010年6月、サンプルが入っていると期待されるカプセルを分離し、オーストラリア中部のウーメラ砂漠に軟着陸させますが、一方、はやぶさ本体は地球大気圏に突入し、分解し燃え尽きる予定だそうです。可哀想!

ちなみに、関東では9月6日まで府中市郷土の森博物館で月曜日を除く毎日14:00から上映しているそうです。大阪市立科学館では来年3月31日まで上映されます。お見逃し無く。

【人工衛星擬人化展示室】からはやぶさの活躍史
Hayatachi Muses-C ”はやぶさ"
■第20号科学衛星ことMUSES-C「はやぶさ」は2003年5月地球を出発し、2年かけて小惑星「1998FS36」イトカワに到達。ここで一ヶ月半に渡っての詳細な観測の後、小型探査機「ミネルヴァ」を放出、さらに小惑星にタッチダウンしての試料採取を行いました。

「はやぶさ」は正確には小惑星探査機ではなく技術開発を目的とした工学実験衛星であり、さまざまな新機軸に挑戦し大きな成果を上げています。イオンエンジンをメインエンジンとして採用し、コレによる長期間航行を実現したこと。3億キロ彼方の小惑星にランデブーし、ここにセンチメートル単位での精密誘導+タッチダウンを行ったこと。小惑星からのサンプルに採取を行ったこと(成否の判断は保留)。などがあげられます。

2度の着陸によるサンプル採取は成功したともしないとも言われていますが、「はやぶさ」はサンプル採取の際に重大な損傷を負ってしまい、決められたタイムリミットまでに帰還軌道に乗ることが出来ませんでした。サンプル採取ミッション終了直後に通信が途絶えた「はやぶさ」は関係者の懸命な努力の末、瀕死の重症ながらも復活を遂げ、2007年4月25日、地球への帰還軌道を取りました。

2009年2月4日、「はやぶさ」は1年3ヶ月に渡る無動力の弾道飛行を経て、再びエンジンによる加速を再開。2010年6月帰還を目指して航行しています。

--memo--
帰還軌道に乗ったとはいえ、「はやぶさ」のコンディションは今も予断を許さ
ない状況です。問題点と現状は以下の通り。


・姿勢制御用のガスジェットが全滅しているため、姿勢の制御が不安定である。

・3軸の姿勢制御を行うリアクションホイールのウチ、z軸以外の二機が故障して
いるため精密な姿勢制御が困難である。

・4基あるエンジンは、問題を抱えているモノのとりあえずは運転可能である。
イオンエンジンはキセノンガスの噴射や、エンジンの首振りにより機体の姿勢
制御を行うことが出来るので、エンジンさえ生きていれば地球への帰還の可能
性はあるとされる。燃料に関しては十分な量を有している。

・頻繁な姿勢変更が困難なため、ハイゲインアンテナ(通信速度256bps)を地球に
向けることが出来ず、通信は ミドルゲインアンテナ(32bps)やローゲインアンテナ
(8bps)に頼っている。その他、 「のぞみ」運用時に 編み出された「1ビット通信(改)」
が日常的に使われている模様。

--年表--

20080204 「はやぶさ」イオンエンジンの運転を再開する

20071018 地球帰還のための第1期軌道変換が完了。エンジンを止め冬眠状態で弾道飛行に入る。

20070425 「はやぶさ」地球に向けての帰還を開始する


20070117 地球帰還カプセルのフタ閉めに成功する

-----------2007----------

200609 「はやぶさ」過放電で死んでしまったリチウムイオンバッテリーの
再充電に成功する。これで地球帰還カプセルのフタ締めが出来る
ようになる。

200607 キセノンガスの節約のため、スピン安定による運用に切り替える

20060531 「はやぶさ」イオンエンジンの起動試験に成功する

200603 体内にたまった気化燃料のガスを追い出すためにベーキングする

20060306 「はやぶさ」の位置が正確に特定される

20060304 ミドルゲインアンテナ(32bps)で通信が出来るようになる

20060225 ローゲインアンテナ(8bps)で通信が出来るようになる

20060123 「はやぶさ」とのビーコン通信が回復する

-----------2006----------

20051214 「はやぶさ」燃料漏れが再発する。姿勢が制御できず音信不通。

20051207 「はやぶさ」イオンエンジンで姿勢制御が出来る技を編み出す

20051128 「はやぶさ」通信を回復

20051127 「はやぶさ」燃料漏れ
・体内に溜まった気化ガスが噴出して姿勢を崩し音信不通となる

20051126 「はやぶさ」第二回タッチダウン
・タッチダウンに成功する
・サンプル採取の成否は不明
・イトカワ離脱後トラブル、姿勢を崩す

20051120 「はやぶさ」第一回タッチダウン
・88万人分の署名を載せたターゲットマーカの投下に成功する
・イトカワ不時着し30分以上地表に留まる
・正常なタッチダウンではなかったためサンプル採取機構は動作せず

20051112 第三回降下リハーサル。
・地表から55mまで降下
・ミネルバをイトカワに向け放出するも、着陸できず

20051109 第二回リハーサル。
・地表から70mまで降下する

20051104 「はやぶさ」第一回降下リハーサル
・降下途中でミッション中止

20051002 二基目のリアクションホイールが壊れる

20050930 「はやぶさ」イトカワの観測モードに

20050912 「はやぶさ」イトカワに到着する

20051002 リアクションホイールが壊れる

20050729 イトカワを星姿勢計で補足する
-----------2005----------

20040519 地球スイングバイに成功する
-----------2004----------

20030509 はやぶさ出発する

Posted on 6月 16, 2009 at 06:33 午後 |

コメント

こんにちは。
体調はもう大丈夫です。ご心配頂きすみません。
花粉症の季節に肺炎になることが多かったのですが、その原因もわかり対策をうってます。
--
アポロ13号のケースもそうなのですが、想定外の問題や状況には、有り合わせのもので対処するしかありません。きっと山でもそうなのでしょう。
その場合、解決には対処する側の知恵によるところが大きいとは思いますが、作り手もぎりぎりの中で汎用性のようなものを組み込んでおくことが必要なのでしょうね。
1bit通信は「のぞみ」の時には想定された対処法ではなかったのですが、「はやぶさ」の時には標準装備(笑)されたようですね。
そういう積み重ねでは、NASAに遠く及ばないのでしょう。

投稿: tkn | 2009/06/20 16:05:01

tknさん、お久し振りです。
体調を崩されていると、聞きましたが、お元気でしょうか。

「はやぶさ」もそうですが、無人探査船を送り出す場合、何らかのトラブルに巻き込まれたらどのように対処するか、探査船の設計段階から二重三重の対応策を考え、製造時に織り込むのですね。

山歩きでも、懐中電灯や防寒具、コンロなど使いもしないのが判っていても、予備を持って行く習慣がついていますが、結果的にはそれが足を引っ張って、リュックの重さが年齢の許容範囲を超えています。
次回の剱岳では八ヶ岳より7kg減らして、15kgで行きますが、何かあったらと思うと不安です。

投稿: きよもり | 2009/06/17 23:35:40

ご無沙汰しております。
下記図書を読まれたこと、おありでしょうか。
1bit通信をせざるを得なくなった経緯等、涙ぐましい努力が紹介されていて、興味深く読めました。

恐るべき旅路 ―火星探査機「のぞみ」のたどった12年
松浦 晋也 (著)

投稿: tkn | 2009/06/17 23:12:59

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