080926 鉄塔倒壊事故
江若丹国境尾根は福井県の県境ですから美浜の原子力発電所からの送電線が処々で横断しています。
9月13日~15日の尼来峠~横尾峠の行程でも、横尾峠で送電線が交叉していました。
全く気がつかず申し訳ありませんでしたが、ちょうど9月15日の下山日に、われわれが下った名田庄から50kmほど東北東の美浜町菅浜の近くで鉄塔の倒壊事故があり、作業中の方が2名亡くなっておられます。
帰宅して2週間もしてから初めて記事を目にしましたが、老朽化していた鉄塔を新しい鉄塔に付け替える作業中で鉄塔の補強材の硬度が不足していたため、損壊したようです。
たまたま、前日午後にも関西電力の鉄塔巡視路に沿って横尾峠から水場まで往復し、途中の鉄塔を見て鉄塔建設の苦労と積雪期も含め定期的に巡視されている作業員の方々のご苦労に思いを馳せていましたから、このような不慮の事故で亡くなられた方はさぞかし残念だったと思います。冥福をお祈り申し上げます。
鉄塔の設置や補修は市街地ならともかくこのような山間部では想像を絶する難工事難作業だと思いますが、鉄塔と隣の鉄塔の間を数十トンもの送電線が張り渡されるわけですから、素人目で見てもかなり微妙なバランスでそれぞれの鉄塔が送電線の重みを支えていることは想像に難くありません。今回の事故でも、左右均等に送電線が張られている状態から、片側を移設完了して残る片側の移設に掛かったところで荷重バランスが狂った結果の事故のようです。このような事故の完全な回避は難しいのかも知れませんが、再発防止の対応を望みます。合掌!
美浜町の鉄塔倒壊事故、斜材などの強度計算をせずに送電線を架け替え 2008/09/22
福井県美浜町の送電用の鉄塔が折れて作業員4人が死傷した9月15日の事故で、関西電力は斜材などの強度計算をしていなかったことを18日、明らかにした。送電線の架け替えに際して、支柱に取り付けた斜材の強度が不足しており、このことが鉄塔の折れた一因になったとみている。
鉄塔には通常、両側に張り出したアームにそれぞれ送電線が架かっている。この状態では両側の荷重がつり合って、鉄塔は安定している。これに対して事故が起こった送電線の移設工事では、送電線を片側ずつ移設していた。
事故当日の鉄塔は、東側の送電線を外し終えて西側のアームにだけ送電線が架かった状態。このため、送電線の荷重などによって、鉄塔に加わる応力が通常時と異なっていた。ところが、同社の電力システム技術センターの設計では、こうした荷重の変化に対して強度計算をしていなかった。
アームを取り付けていた支柱は四角柱の形状で、四つの面にそれぞれ1本ずつの斜材を取り付けている。鉄塔が折れた一因になったとみられる斜材は、送電線に対して直角になる南北の面に設けた斜材。荷重が変化したことで、北側の引っ張り強度と南側の圧縮強度がそれぞれ不足した。併せて、これらの斜材を取り付けるボルトも強度が不足していた。
ただし、強度不足の斜材を取り付けた個所よりも下の位置で鉄塔が折れている。強度が不足した部材がどのような影響を及ぼし、鉄塔がどのようなメカニズムで折れることになったのかは、9月19日時点で明らかになっていない。
山崎 一邦=フリーライター[日経コンストラクション]
関連記事送電線の張り替え作業中に鉄塔が折れて4人が死傷 (08/09/16)
Posted on 9月 26, 2008 at 10:38 午前 | Permalink




コメント
今回の事件の報道には私も衝撃を受けました。しかし単純に下請け業者の作業ミスと考えていましたが,これは工事責任者である関西電力の責任が問われるべきものと考えます。このような高圧電線鉄塔の補修工事は何十年も前からやっていたのではないのですか。アームは必ず両側に張り出しています。電線を片側ずつ張り替えるのならば,一方には電線の重みが掛かるのは当たり前。強度計算していないなんて考えられない。下請け企業に対する技術指導,作業手順指導等が充分だったのかガ問題です。関西電力は私のような事情も知らない素人にも納得のいく説明をする必要があります。新聞等のジャーナリストも報道した事件の後の疑問点や,真相を究明,解明する責任が有ると思います。
投稿: 晴れ男-大明神 | 2008/09/26 22:21:49
何処の鉄塔道でも日常の整備視察に廻っておられる作業員の方の辛苦には頭が下がります。
この鉄塔道のお陰で、尾根へのアプローチや緊急避難時に何度助けられたことでしょうか。
特に蜂騒動の時には、鉄塔道があったればこそ短時間で林道まで下れたのですから、今回のような事故があると本当にお気の毒な思いで一杯です。
投稿: きよもり | 2008/09/26 18:22:05
浦島太郎さんお帰りなさい。
そうです関峠から少し北に行ったところで事故は起きました。原発にしろ犠牲になるのは下請けばかりなのが現状です。現地査察を行うのも恐らく下請けで電力会社は果たして山奥の現地に足を運んでいるのか疑わしいモノです。簡単に上れて査察がしやすいところを見て回り後はお任せだと思われます。
日頃鉄塔にお世話になっているモノとして鉄塔が壊れるなんて夢にも考えたことがありませんでした。
写真で見る限り転換点の鉄塔みたいですね。片側だけに力がかかる構造にしてはお粗末な構造のように思われます。
投稿: おじゃま虫 | 2008/09/26 11:48:14